岸田首相の金融所得課税見直しにみる日本の政治の柔軟性
民意が反映されやすい点では、日本の政治体制は柔軟性が高い
岸田首相が金融所得課税の見直しを撤回しました。
発言を撤回した理由の考察
原因は大きく2つだと思っています。
①株価の下落幅が大きい。
②特定の団体から一定数のクレーム(国民の意見)が首相官邸に届いた。
という理由だと考えています。
(これはあくまで私の感想です)
①株価の下落幅が大きい。
金融所得税20%→25%というニュースが出てから数日の間で、
日経平均が10%以上下がりました。
この発言に、嫌気がさした投資家が大量の売りを浴びせたという見方が優勢です。
実際、もしもこの制度に見直しが入ることが確定した場合、
相当数の投資家が、”利確”のため、売り注文を出すはずです。
当然ですよね。
20%と25%では、20%課税されている方が、まだマシです。
それに、今の日経平均は一時期から見ても高めの水準です。
「今後の日経平均は上がるより、下がる確率の方が高い」
と考える人が多くいても不思議ではありません。
株価は足元の実体経済を反映しているわけではありません。
景気が良くなるんじゃないかな、という期待を織り込んで、動きます。
なので、今の株価は数か月先の状況(人々の往来がより盛んになり
経済活動が再開される状態)を見込んでいるはずです。
②特定の団体から一定数のクレームという民意が首相官邸に届いた。
安倍さんの時代からそうでしたが、法案や制度を変更しようとする時、
事前にジャブを放って、国民の反応を見ます。
そして、騒ぎが大きくなると(実際に今回は、株価が大幅下落したので、
悪手だと気づきました)引っ込めます。
支持率にもしっかりとこうした発言による影響が表れているはずです。
以下は朝日新聞が行った世論調査です。
朝日新聞社は、10月4日、5日で全国世論調査(電話)を実施
内閣支持率:45%
内閣不支持率:20%
この方法での調査は、2001年の小泉内閣以降からで、
麻生内閣48%を下回り下降最低の支持率です。
朝日新聞は、日本国の国益に反することこそが存在意義のような会社なので、
この数字を全面的に信じるほどナイーブではありません。
ただ、経済が冷えている状況で、いきなりこういう経済感覚を披露されると、
正直、先行き不安です。
ただ、民意を読み取り、発言をすぐに撤回する様子を見て、
日本の政治体制の柔軟さに安心しました。
まだ、金融所得課税について、言及する時ではありません。
少子化問題。母子/父子家庭のケア。待機児童や教育費の補助など、
本来議論し改善しなくてはいけない項目はあります。
国の未来を作るのは子供たちです。
現役世代を苦しめるような法案や制度を進めるのはやめて、
住みよい日本を造るために、政治活動してほしいです。